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「同情するなら金をくれ」

日本テレビ系列の家族ドラマ家なき子」の有名なセリフ。最近のドラマの傾向として、「ホームドラマ回帰」がいわれ、その中から一九九三年春の「ひとつ屋根の下」(フジテレビ)のような、大ヒットドラマも生まれた。こうした家族ドラマブームをとらえて、「バブルで浮かれていた日本人が、忘れかけていた家族のぬくもりを再発見し、家族回帰が起こったのだ」という楽観的な解釈をするのはあまりに表層的、短絡的といわざるをえない。なぜなら、この「家族回帰」現象は、崩壊の危機に瀕した「家族」の存在意義を正面から問うて起こったわけではなく、あくまで、「不況」や「恋愛ドラマのネタ切れ」という外部要因が引き起こした「副産物」にすぎないからである。特にブームとなった「大家族ドラマ」などは、中途半端な人情仕立てがかえってアナクロで白々しかったりするわけであり、その意味では、絶対に起こりえない「家族ドラマ」としての「家なき子」のほうがかえって、視聴者の共感を得やすかったのかもしれない。実際、「家なき子」は「同情するなら金をくれ」のセリフなどで話題になったが、そこでは、極限の「家族愛」を提示することで、かえって「家族」の本質的な意味を問いかけていたわけであり、これこそまさに、現代における究極のホームドラマだったのである。

引用元:コトバンク 


























何このとんでもないドラマww
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